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院長のコラム

心とからだの健康づくり 5月号

体内時計について

一日をどのように過ごすかを意識されたことはありますか?

体内には、時計遺伝子発現リズムというものがあり、これらは全ての細胞に備わっています。細胞どうしが時刻の情報を自律神経や内分泌ホルモンを介して共有し、時計システムのハーモニーを形成しています。全ての細胞に時計があり、脳細胞がそれらをコントロールしているのです。

これが体内時計です。

花粉症に悩まされている方がいると思いますが、症状が午前中に一番強く出るのには理由があります。花粉症は、花粉が体内に入り、細胞のレセプターと結合し、細胞内に入り込むことによって症状が発現します。レセプターが午前中により活発に働いているため、症状が強くなるのです。同様に、血圧は夕方に上がりやすく、皮膚過敏の症状は夜間に起きやすいのです。薬の成分や服用の仕方も、体内時計に合わせて作られていることが多いです。

いつ症状がでるか予想出来れば、より効果的です。

不規則な仕事などによる環境的要因や年齢を重ねていくことによる生理的要因により、不眠やうつ病、メタボリックシンドロームや腫瘍の発生率が高くなることが医学的に証明されています。このような症状は、体内時計がズレることにより生じます。

必要なのは、リセットする方法を知っておくことです。

1日24時間周期の体内時計をサーカディアンリズムといい、元来24時間より少し長くセットされています。そのため規則正しい生活をしていても、毎日少しずつズレが生じてます。睡眠ホルモン(メラトニン)が夜11時くらいから分泌され、続いて覚醒ホルモン(コルチゾール)が朝6時くらいから放出されます。これらが睡眠と活動を担っています。体内時計のズレは、起床する時間を一定にすることにより毎日リセットできます。まずは、6時30分に起床する習慣を持つといいですね。平日が難しいようであれば、週末を使ってリセットすることもできます。1週間周期の体内時計をウィークリーリズムといい、このリズムが安定すると月曜病を感じにくくなります。夜、遅くまで携帯をみていたり、寝る前にお風呂に入ったりすると体内時計がずれ、メラトニンの分泌を低下させたり遅らせたりします。また、朝お布団の中でカーテンを開けずにゴロゴロしていると、コルチゾールの分泌にも変化がおきてしまいます。

なんとなく体調がすぐれないとか、不眠の兆候を感じたら、起床時間を適正化し、起きたらカーテンをあけて太陽の光をあびるだけで自律神経の乱れやホルモンの分泌が修正されます。

体内時計のリセットは、健やかな生活のお手伝いをしてくれます。

体内時計は、運動のパフォーマンスアップにも一役買ってくれます。オリンピック選手が運動時間や食事の方法を体内時計に合わせて練習を行なっております。

次回は、体内時計に合わせた効率のよい食事方法やトレーニングについてです。

ゴールドジム 東浦和さいたま

日本体育協会スポーツ認定医 益子 泰雅

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