院長のコラム

こころとからだの健康づくり新聞 11月号

こころとからだの健康づくり 新聞 11 月号
無酸素運動について
有酸素運動についていかがでしたか。 今回は、 無酸素運動(筋肉トレーニングを中心に記してまいります。
先ずは、筋肉の分類です。 横紋筋や平滑筋、平行筋や羽状筋などいくつかありますが、 平行筋と羽状筋についての理解が必要です。 上 腕二頭筋のように盛り上がる筋肉が平行筋です。 筋線維の1本1本が筋肉の長軸に向かって平行に走っているため、大きく収縮させるこ とが出来き、スピードを出すのに適した筋肉です。 一方、大腿四頭筋や上腕三頭筋、背中の筋肉は羽状筋です。 鳥の羽のように筋線維が 少し傾いて斜めに走っている筋肉で、筋線維は平行前と比べて短く、収縮が小さいため力を出すことに向いています。 伸筋には羽状筋が多 く、屈筋には平行筋が多いという傾向があります。
トレーニングの種類には、 多関節運動と単関節運動があります。 ベンチプレスのように肩関節、 肩甲骨関節、 肘関節など2つ以上の関節 を同時に動かす運動が多関節運動で背中から上腕などいくつもの筋肉に負荷がかかります。 他方、 肘を曲げる上腕二頭筋のトレーニング のように単独の関節を動かし、 一つの筋肉へ負荷をかける運動が単関節運動です。 平行筋は、長軸方向へ長く伸びた筋肉のため、筋肉を 最大限収縮と進展させることによって負荷が大きくなり、羽状筋は、 筋繊維が短いため収縮進展による効 果は小さいが、大きな負荷を掛けたトレーニングが筋肥大をおこしやすくなります。
上腕二頭筋のトレーニングでは、 伸展0度から屈曲 135度まで動かしてあげること、しっかり単関節運 動 (肩関節が一緒に動きやすい)を行い、高重量を用いることではありません。 羽状筋である上腕三頭筋 のトレーニングでは、 関節の可動域を大きくとるより、 高重量のトレーニングが筋肥大への近道です。 筋肥 大による効果は、基礎代謝をアップさせる、日常生活に対応するための筋力を得る、腰痛など身体の各 部をケアする、 ですので、 目的に合わせてたメニューを作りましょう。
続いてトレーニング回数です。 日本では10~12回3セットが主流です。 筋肉にしっかりと負荷がかかっていることが目的です。 筋肉が張 る感じがする、 少し痛みがあるなど筋肉の変化が無いと効果が認められません。 カナダで行われた研究により、高強度のトレーニングを少 ない回数こなした場合と、 低強度のトレーニングを多くの回数こなした場合で、 筋肉の増加量に差はないという事実が明らかになりました。 最初は、回数を10回3セットと固定し、 3セット終了後にしっかりと筋肉の変化を感じること、 慣れてきたら回数をそのままに重量を上げて いきフォームの固定を行います。 その後は瞬発的か、 耐久的かなど目的に合わせて、重量や回数を変化させましょう。 また、セット間のイン ターバルが長いと、 筋肉の成長を促す成長ホルモンが分泌されにくいため、 インターバルは1分ほどと短くするとさらに効果的です。 ある程 度疲労を溜めることで成長ホルモンの分泌が増え、 筋肥大につながります。 睡眠時、 特に深い眠りのレム睡眠時に分泌されますので、質の 良い睡眠も大切です。
筋トレ後に筋肉が回復し筋肥大するには24~72時間が必要なため、 筋トレの頻度は週2~3回が ベストとされています。 毎日トレーニングをしたい場合は、 いくつかの部位をローテションで鍛えるのが 主流です。 また、 筋肥大のためにはバランスよく栄養を補給することが必要であり、タンパク質はプロテ インなども活用して積極的に摂る必要があります。 筋トレ後 30 以内にタンパク質を摂ると、 筋肉への 吸収率が高くなります。 さらに、 筋トレ前にエネルギーとなる糖質や必須アミノ酸を補給しておくとエネ ルギー変換をしやすくなります。 筋肉が肥大する過程では、 分解と合成が繰り返し行われます。 トレー ニングだけではなく、食事や睡眠にも気を配り、健康的な日々を目指しましょう。
次回は、有酸素運動と無酸素運動の目的に合わせた効率良い組み合わせ方です。 毎日の健康的な生活のために少しでもお役にたてれ ば幸いです。

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