院長のコラム

心とからだの健康づくり新聞8月号

心とからだの健康づくり新聞 8月号

体重の増減によって体内に起こる変化と食事、運動の関係について

 自律神経を意識した生活はいかがですか。日々の生活を楽しむために、身体のしくみを理解することは大切です。皆様方が健やかな生活を送っていただけるお手伝いを出来ることをうれしく思います。

 体内には、筋肉細胞や骨細胞、血管や神経細胞、脂肪細胞などさまざまな組織がありますが、体重の

増減によって変化するのは、筋肉細胞と脂肪細胞のみです。どんなに体重増減があろうと、骨細胞の数や

大きさに変化はありませんし、血管や神経細胞も、筋肉細胞や脂肪細胞の量に比例して変化しますが、

重量増といえる程ではありません。なお、医学的に男性は身長ー100、女性は(身長ー100)X0.9

基準体重としております。

 

 今回の主題です。体重が基準値より多い状態から

基準値まで減らす時の変化を考えてみます。

身長170センチ、体重80kgの方を70kgへ減少させるには、食事によるコントロールでを行う場合、摂取カロリーを2.000キロカロリーから1.750キロカロリーへ減らす必要があります(体重1kgあたり代謝量は約25キロ

カロリー)開始当初は、摂取カロリーより消費量が多い

(筋肉量が80kgの状態)ため、糖質の分解だけでは

消費エネルギーが足りず、脂肪細胞の分解も促進され、

体重は減少します。順調に経過すると、体重の減少により身体を支える筋肉量も減少するため、消費量

(代謝量)が少しずつ低下し、体重の減少が鈍ります。この状態の時に、筋肉量の維持(代謝量の維持)

同時に行うと成功率がグンと上がります。代謝には、基礎代謝、生活代謝、食事代謝があり、基礎代謝とは筋肉量、生活代謝とは活動量に比例します。食事代謝とは、朝食を摂取する時に消費する活動量です。

代謝は、年齢によっても変化し、20代に比べて50代では、約20%低下するとの報告があります。これは、筋肉量と活動量が低下するためです。詳しくは次号にて代謝の説明をさせて頂きますが、最近の研究では、筋肉量は年齢に関係無く増加することがわかりました。運動が習慣となっている方々は、年齢を問わず

代謝量が変化しにくいのです。また、運動は糖を効率よく消費し、かつ脂肪細胞の分解や燃焼を促進し、

筋肉量維持や増強をするため、基礎代謝量や生活代謝量を増加します。話を戻します。カロリー制限を

続けることによって、2週間に約1.0kgから1.5kgペースで減少が可能となります(7.000キロカロリーの制限で体重が1kg減少)緩やかなペースと考えがちですが、確実に減少させるためにはこれくらいのペースが一番です。もう一つのハードルは、ストレスです。人間には、満腹中枢というものがあり、食事量を急に減らすことに対しストレスを感じます。食事療法のみによるダイエットの成功率が低いのは、落ちた

代謝量への対応が出来ないことと、ストレスに対抗しなくてはならないためです。朝起きてのストレッチやウォーキング、スタジオレッスンや筋肉トレーニングなど、基礎代謝量と生活代謝量を維持し、ゆっくりと

食事量を減らす事が確実性を増す一番の方法です。しかし、運動をしなくてはと考えることがストレスに

なってもいけません。いつもより歩く時間を増やしたり、好きなスタジオレッスンを見つけるなど、生活の

一部として考えるとストレスが少なく出来そうです。今回は、カロリー数を基準としましたが、同じ成分の

摂取でも摂取方法によって変化します。これがカロリー数だけで考えるのが適切でないといわれる理由です。

身体に入った食物は、食物繊維を含むため、ゆっくりと吸収されますが、飲物は吸収速度が早く、

同じカロリー数でも蓄積しやすいのです。飲料に入っている糖質や添加物の方が白米よりよっぽど悪影響と

いうことです。

今回は、体重の増減について記しました。次回は、代謝についてです。毎日に健康的な生活のために少しでもお役にたてれば幸いです。

ゴールドジム 東浦和さいたま

日本体育協会スポーツ認定医  益子 泰雅

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