心とからだの健康づくり新聞

有酸素運動と無酸素運動について(前編)

代謝についていかがでしたでしょうか。皆様が健やかな生活を送っていただけるお手伝いを出来ることをうれしく思います。今回は有酸素運動、無酸素運動(筋肉トレーニング)それぞれの比較と主に有酸素運動について記してまいります。

有酸素運動と無酸素運動は効率よく配分

世界保健機関(WHO)の運動のガイドラインには、週150分以上の緩めまたは週75分以上の激しい有酸素運動と、主要な筋肉をカバーする筋トレを週2回以上推奨している、とあります。このように有酸素運動と無酸素運動は別々に捉えられています。これは身体に対する効果が違うためです。そのため目的意識をしっかりと持ち、それぞれを効率よく配分する必要があります。

有酸素運動は異化運動(カタボリック)、無酸素運動は同化運動(アナポリック)です。異化とは分解すること、同化とは合成することです。有酸素運動は血中の遊離脂肪酸が酸素と結合することによりエネルギーを生み出し、筋肉や体脂肪などの組織を分解する運動です。無酸素運動は筋肉を動かす時のエネルギー源として酸素が使われないことから無酸素運動といい、筋肉などを合成する運動です。ただし直接脂肪を燃焼させないため、ダイエット効果をすぐに実感できるものではありません。脂肪を燃焼させて身体を絞るための有酸素運動、基礎代謝を上げて太りにくくする無酸素運動と考えると分かりやすいです。

有酸素運動の目的別に必要な時間について

先ずは有酸素運動です。

よく有酸素運動は20分以上続けないと効果が出ないといわれますが、これは脂肪分解の場合です。身体を動かす時に利用される遊離脂肪酸は、運動直後から燃焼され、20分以上継続すると燃焼が早まることがわかっています。遊離脂肪酸が分解した後、内蔵脂肪が分解されますので脂肪燃焼を目的とするのであればそのようになります。しかし目的によって必要な時間はさまざまです。ダイエット目的であれば20分以上週3回行うのが効果的ですし、運動不足を補うためや生活代謝の低下改善を目的とするのであれば毎日10分でも効果があります。また、継続して行うことで、心肺に負荷がかかり心肺機能も向上します。スタミナの向上にも直接的に関わり、ハードなトレーニングをしても辛さを感じにくくなります。さらにストレス発散やリラックス効果もあります。これは幸せホルモンといわれるセロトニンが分泌されるためです。このホルモンは日光浴などでも分泌されますが、リズミカルな運動をすることによりセロトニン神経が刺激され分泌が促進されやすくなります。そのため、軽度の疲労を感じリラックスした状態で就寝できるため睡眠の質も向上します。

有酸素運動だけでなく、無酸素運動の併用も必要

このようにメリットもたくさんありますが、筋肥大の効果はほとんど認められません。人間は年を重ねるにつれ、意識して身体を動かすようにしないと筋肉が衰えてしまいます。筋肉量は、20歳~30歳を頂点に鍛える努力をしない限り、 30歳から毎年1%ずつ下降していくといわれています。 20歳~30歳を100%として計算を行なった場合、80歳の筋肉量は約半分以下になってしまいます。筋肉は、動かすことにより維持され、鍛えることにより肥大することが年齢を重ねても継続されることがわかっています。しかし、活動量の低下や食欲の低下により筋肉が使われず、また必要な成分が摂取できずに筋肉量が低下してしまうのです。そのため同化(無酸素運動)も併用しないと身体の老化スピードが速まってしまいます。

次回は、筋肉の種類や効果的なトレーニング方法など無酸素運動(筋肉トレーニング)を主に記してまいります。毎日に健康的な生活のために少しでもお役にたてれば幸いです。

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