無酸素運動についていかがでしたか。今回は、有酸素運動と無酸素運動の組み合わせ方や運動の効果、継続するための方法について記してまいります。
短時間で最大の効果をあげる
有酸素運動は異化運動、無酸素運動は同化運動です。組み合わせを考えると、有しているエネルギーをどのように使うか、そして運動によって起こる体内の変化がどのような影響をもたらすかを考えるとわかりやすいです。体内における効果が正反対のため、有酸素運動と無酸素運動を別の日に行うことが理想ですが、同日に行う場合は3時間以上空けると相互の効果が弱まるとのエビデンスがあります。ダイエットや体力アップが目的の場合、両者を組み合わせることで脂肪燃焼効果が高まったり、筋トレの準備運動となったりと相乗効果が生まれます。短時間で最大の効果をあげるために時間配分や順番を順守し、トレーニングの効率をあげていきましょう。
筋肥大を目的としたトレーニング
先ずは、筋肥大を目的としたトレーニングです。筋トレ前にエネルギーとなるグリコーゲンを有酸素運動で消費してしまうと、筋トレの効率が下がります。筋力アップや筋肥大を目指す場合、エネルギー源であるグリコーゲンをフル活用して筋肉に負荷をかけるトレーニングが必要だからです。一番の理想は、筋肉の超回復の時間に有酸素運動をあてる方法で、週3回の筋トレの休息日に週2日ほど有酸素運動をするという時間配分です。 同日に両方行いたい場合は、筋肥大トレーニングをメインに1時間程度行い、筋肉トレーニングの後に10~15分の有酸素運動を配置する時間配分がよいとされています。筋肉トレーニング前に有酸素運動を行う場合、ストレッチとしてゆっくりとしたウォーキングを5分程度行う方法も推奨されています。
ダイエットが目的
続いてダイエットが目的の場合です。筋トレと有酸素運動の組み合わせはダイエットに非常に有効です。筋トレにより分泌される成長ホルモンが脂肪の分解を促進すること、さらに筋肉量の増加が基礎代謝がアップすることがその理由です。また、有酸素運動も脂肪燃焼効果があるため、まずは筋トレを20~60分間行い、続いて有酸素運動を30~60分行う方法が推奨されています。成長ホルモンが分泌されているタイミングで有酸素運動をすることが大切なので、筋トレから有酸素運動という順番は守るようにしよう。
抗ストレス耐性を上げる
スタンフォード大学では、運動とストレスについての研究が進んでおります。運動時間についてもたくさんの研究を発表しており、3分程度の短い運動でも高揚感をもたらす脳内化学物質であるドーパミンやアドレナリンが放出され、集中力が高まったりストレスが軽減されたりといった効果があることがわかっています。20分以上の少し長めの運動では、幸せホルモンであるエンドルフィンが放出され、さらに高揚感が増します。筋肉を使う運動をすると副産物として作られた乳酸が脳細胞と結合し、不安を緩和する分子として機能します。運動による身体の変化は、内面からも変化をもたらしてくれます。最近では孤独感を緩和してくれることもわかってきました。定期的な運動によって内因性カンナビノイドの結合部位の増大により脳が敏感となり喜びを感じやすくなり、孤独感の解消に繋がるためです。運動を継続することが難しい方々に対する研究も進んでおり、早朝に行うと継続しやすいということがわかってきました。運動は前向きな考え方をもたらし、気分をあげる効果があるので、早朝の方が高揚感を長く感じることができるためです。さらに音楽を聴きながら運動を行うと継続性があがるとの報告もあります。音楽は、脳内の運動系が活性化させ、動作を計画する補足運動野や調整する大脳基底核、タイミングを制御する小脳などが脳の運動ループを形成します。さらに、自然と近い環境で行うとリラックス効果が増強され、集中力がアップし継続性が高まるとの研究結果もあります。当館でも天井高を高くとりガラス面積を大きくしたのは限りなく自然環境に近づけることを目的としてたためです。習慣化するには少なくとも2週間を要しますが、このような方法を用いると継続率があがることが研究よりわかっています。運動の最大の効果は内面の抗ストレス耐性を上げることかもしれません。さまざまな効果を実感してください。
これまで、運動や代謝などについて記してまいりました。次回は私の経験を基にエビデンスにそった体験や健康管理の方法などを記してまいります。毎日の健康的な生活のために少しでもお役にたてれば幸いです。
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